スマホストッパー
集中・仕事・勉強

夜に仕事のスマホを開かない — Slackとメールを翌朝まで置く4つの決めごと

退勤後に開いてしまうのはSNSや動画より先に仕事のチャットとメール、という人向けに、夜の仕事アプリを翌朝まで置くための決めごとを4つにまとめました。返す時刻・例外・通知・置き場所の順に決めます。

退勤して家に着き、スマホを開く。開いたのは SNS でも動画でもなく、仕事のチャットとメールだった——という夜があります。見ても返せないことが多いのに、気づくと 30 分おきに確認している。

仕事中の中断をどう塞ぐかは「仕事中にスマホを触ってしまうときの対処」にまとめています。この記事が扱うのは、その反対側にある退勤から就寝までの時間帯と、そこで開かれる仕事アプリだけです。

夜に開くのは、止める対象から外したアプリ

スマホを制限する設定はたいてい、SNS と動画を名指しで止め、電話・メッセージ・地図・決済・目覚ましを通す側に置きます。仕事のチャットとメールも、仕事が回らなくなるので通す側に入ります。この仕分け自体は正しく、必要な連絡まで止めると設定ごと解除されることが多いためです(LINEは残してSNSだけ止める設定の考え方)。

ただ、その結果として夜に何回開いても設定上は何も起きないアプリが手元に残ります。Job 総研が社会人 606 人に行った「2024 年 スマホ依存の実態調査」(2024 年 11 月 6〜11 日、インターネット調査)では、使いすぎの自覚があると答えた 450 人のスマホの用途として「メッセージアプリの確認・返信」が 42.2% で 3 番目に挙がったと報告されています(SNS 54.7%、動画視聴 49.6% に次ぐ)。自覚の理由の 1 位は「無意識に時間が経っている」78.2% でした。

連絡の確認は、SNS や動画と違って「用事」の形をしています。だから止める対象として意識に上がりません。

決めるのは「見ない時刻」ではなく「返す時刻」

夜は見ないと決めても、たいてい見ます。先に決めるほうが通るのは、返す時刻の終わりです。

  • 平日は 20 時以降は返さない(翌朝いちばんに返す)
  • 休日は午前に 1 回だけ返す

見てしまっても返さなければ、相手が期待する返信の速さは変わりません。逆に 23 時に返した日が何度かあると、23 時に返ってくる相手として扱われます。夜に開く回数を減らす前に、この期待値のほうを動かしておくと、開いたときの焦りが小さくなります。

4つの決めごと

決める順番があります。上から順に 1 つずつです。

決めること決め方の例なぜ先に決めるか
① 返す時刻の終わり平日 20 時まで。それ以降は翌朝相手の期待値が決まる
② 例外当番・障害対応の日だけ通知を戻す。緊急は電話で受ける例外が無いと全部が例外になる
③ 通知仕事アプリの通知は音・画面表示・バッジまで消す赤い数字が開く理由になる
④ 置き場所夜は玄関か別室の充電場所に置く手元にあるかどうかで決まる

③ の通知は、オフにするかどうかの二択にしないほうが収まります。音だけ消す、画面に出さない、バッジも消すの順に強くできます。手順は「通知を棚卸しして減らす手順」に端末ごとに書きました。仕事のチャットアプリ側にも通知を止める設定があるものがありますが、名前も場所もアップデートで変わるので、端末側で完結させるほうが崩れません。

「電話だけ通す」を例外の軸にする

例外を作らないと、全部が例外になります。軸にしやすいのは電話です。

  • チャットとメールの通知は切ったままにする
  • 電話は通す。本当に急ぐ用件は電話で来ることが多い
  • 当番・リリース当日・障害対応の日だけ、チャットの通知を戻す

この形なら、連絡が届かない状況にはなりません。寝る前の時間帯に誰を通すかをもう少し細かく決めたいときは「寝る前の1時間は「連絡だけ」通す」に、通す人・アプリ・音の分け方を書いています。

通知を切っても開いてしまうとき

通知が無くても手が動くときは、開くまでの手間を 1 つ足します。アプリを開く前に一手間を挟む one sec を調べた研究(Grüning ら、PNAS 2023、280 人・6 週間)では、介入が出た場面の 36% でそのままアプリを閉じ、6 週目には対象アプリを開く試行が 1 週目より 37% 少なくなったと報告されています。

3 つ目は、仕事アプリを完全に止めるのではなく、時間帯を区切って止める形です。日中は通す側、夜だけ止める側に置き換えます。

夜に開いた分は、翌朝に出る

夜に仕事アプリを開いた分の影響は、その夜の 30 分だけではありません。同じ Job 総研の調査では、支障があると答えた 339 人のうち 71.7% が「睡眠不足・睡眠の質の低下」を挙げたと報告されています(1 位)。読み方は「スマホと睡眠不足」にまとめました。

返信を翌朝に寄せると、朝いちばんに返す分だけ時間が必要になります。前の晩に見ていない代わりに、朝の最初の 15 分を返信に充てる、という形で先に置いておくと、夜に開く理由が 1 つ減ります。

今日やること(10分)

  • 平日に返信を終える時刻を 1 つ決める(例: 20 時)
  • その時刻以降に来た連絡を、翌朝いつ返すか決める
  • 仕事のチャットとメールの通知を、音・表示・バッジの順に落とす
  • 電話は通したままにする
  • 例外にする日(当番・リリース・障害対応)を書き出す
  • 今夜の置き場所を決める(玄関・別室・引き出し)

1 週間やって、朝の返信で遅れが出たかどうかだけ確かめます。出ていないなら、その時刻が自分の仕事に合っていたということです。

出典

  • Job 総研『2024 年 スマホ依存の実態調査』(パーソルキャリア、全国の社会人男女 606 人、20〜50 代、2024 年 11 月 6 日〜11 月 11 日、インターネット調査)。使いすぎの自覚があると回答した 450 人の用途は SNS 54.7%、動画視聴 49.6%、メッセージアプリの確認・返信 42.2%。自覚の理由は「無意識に時間が経っている」78.2%。支障があると回答した 339 人のうち「睡眠不足・睡眠の質の低下」71.7% — https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000227.000013597.html
  • Grüning, D. J., Riedel, F., & Lorenz-Spreen, P. “Directing smartphone use through the self-nudge app one sec”, PNAS 120(8): e2213114120(2023)。280 人・6 週間のフィールド実験。介入後にアプリを閉じた割合 36%、6 週目の起動試行は 1 週目比 37% 減 — https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2213114120

※この記事は公表されている調査を紹介したもので、医学的な診断や助言ではありません。

よくある質問(まとめ)

夜に仕事のチャットやメールを開いてしまうのはなぜですか?
止める対象から外しているアプリだからです。制限の設定では SNS や動画を名指しで止め、仕事の連絡は通す側に置くのが普通なので、夜に何回開いても設定上は何も起きません。開く回数が見えないまま残る唯一のアプリになります。
夜の仕事アプリは、何から決めればいいですか?
見ない時刻ではなく、返す時刻の終わりから決めます。見てしまっても返さなければ、相手が期待する返信の速さは変わりません。そのうえで例外・通知・置き場所の 3 つを決めると、意志で我慢する場面が減ります。
緊急の連絡が来たらどうすればいいですか?
チャットの通知は切ったままにして、電話だけ通す形にします。本当に急ぐ用件は電話で来ることが多く、電話を通しておけば連絡が届かない状況にはなりません。当番の日だけチャットの通知を戻すのも、毎日戻すより続きます。

関連記事

在宅勤務の日だけスマホで集中できない — リモートワークで崩れる3つの条件

出社の日は普通に働けるのに、在宅の日だけ夕方に何も進んでいない。意志の差ではなく条件の差として、在宅に固有の3つを時刻・動作・合図に分けて手当てする方法をまとめました。

ゲームの時間を自分で区切る — 「あと1回」を終わらせる上限と合図の決め方

ゲームは区切りが向こうから来ないので、1日の上限を決めるだけでは終われません。iPhoneの「許容時間」とAndroidのアプリタイマーの手順に、上限の手前に置く「終わりの合図」の作り方を足してまとめました。

休憩のたびにスマホを開かない — 5分休憩の「終わり」を先に決める

5分の休憩がいつも40分になるのは、休憩の終わりを決めていないからです。仕事の合間の休憩を、戻れる形に作り替える手順を5分・15分・60分の3つの型と立て直しのチェックリストでまとめました。

集中できないときの90分ブロックの作り方 — 中断を3種類に分けて先に塞ぐ

集中力が続かないのは意志の問題ではなく、中断の入口が開いたままだからです。1日1回の90分ブロックを、スマホ・人・自分の思いつきの3種類の中断に分けて設計する手順をまとめました。