スマホと睡眠不足 — 社会人606人の調査でいちばん多かった支障は「睡眠」だった
スマホの使いすぎで感じる支障の1位は睡眠不足・睡眠の質の低下(71.7%)。ただしこの数字の母数は606人全体ではありません。調査の読み方と、寝不足に直結する「夜の1時間」の確かめ方をまとめました。
スマホのせいで寝不足になっている気がする、という感覚は、調査の数字でも裏づけがあります。社会人を対象にした調査で「使いすぎによる支障」を聞くと、いちばん多く挙がるのは視力でも集中力でもなく睡眠でした。ここでは手順ではなく数字の読み方を扱います。置き場所から変える具体的な手順は寝る前スマホをやめる方法にまとめています。
支障の1位は「睡眠不足・睡眠の質の低下」71.7%
Job総研(パーソルキャリア)が社会人男女 606 人に行った「2024年 スマホ依存の実態調査」(2024 年 11 月 6〜11 日、インターネット調査)では、使いすぎによる日常生活への支障があると答えた人に具体的な内容を聞いています。
| 支障の内容 | 割合 |
|---|---|
| 睡眠不足・睡眠の質の低下 | 71.7% |
| 視力の低下・目の疲れ | 59.0% |
| 集中力の低下 | 48.4% |
視力と集中力を上回って、睡眠が 1 位です。スマホの使いすぎが最初に表に出る場所は夜だと報告されている、という読み方になります。
71.7% は「社会人の7割」ではない
ここで注意したいのが母数です。この 71.7% は 606 人全体の割合ではなく、質問が段階的に絞られた先の数字です。
| 段階 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 調査の回答者全体 | 606 人 | — |
| 「依存していると思う派」(調査の設問表現) | 450 人 | 74.3% |
| そのうち「支障がある派」 | 339 人 | 75.4% |
| そのうち「睡眠不足・睡眠の質の低下」 | — | 71.7% |
単純に掛け合わせると、回答者 606 人のうち睡眠への支障を挙げた人は 240 人前後、つまり全体の約 4 割です。7 割という数字だけが独り歩きしやすいので、引用するときは「支障があると答えた人のうち 71.7%」と添えるのが正確です。他の調査との比べ方はスマホの平均使用時間はどれくらい?で整理しています。
使っている時間と、我慢できる時間の差は1時間以上
同じ調査では時間も聞いています。1 日のスマホ使用時間は平均 264.7 分(約 4 時間 25 分、中央値 216.5 分)。一方、スマホを触らずに我慢できる時間は平均 197.2 分(約 2 時間 17 分、中央値 120 分)でした。
自己申告どうしの比較でも、使っている時間のほうが 1 時間以上長いという結果です。この差分がどの時間帯に出ているかを考えると、多くの人にとっては予定の無い夜になります。
なぜ夜に伸びるのか(調査が挙げた理由)
使いすぎの自覚がある人にその理由を聞いた結果は、上から次の順でした。
- 無意識に時間が経っている … 78.2%
- 少し時間が空くと開いてしまう … 66.7%
- スマホなしでは 1 日過ごせない … 57.4%
用途は SNS 54.7%、動画視聴 49.6%、メッセージアプリの確認・返信 42.2% です。1 位の「無意識に時間が経っている」は、終わりが自分の外側から来ないものほど起きやすい状態です。SNS と動画は次の 1 本が自動で始まる作りなので、眠気という合図が来ても画面側に区切りがありません。
この調査で言えること・言えないこと
読み方を 2 つに分けておきます。
- 言えること: 社会人が自覚する支障の中で、睡眠が最も多く挙げられていること。使用時間と納得できる時間に差があること
- 言えないこと: スマホが睡眠不足の原因だと断定すること。この調査は自己申告のアンケートで、因果関係を確かめる設計ではありません
寝不足が続いていて不調が気になるときは、記事ではなく医療機関で相談するのが確実です。
自分の「夜の1時間」を3日だけ測る
全体の平均と比べるより、自分の夜の実数を見るほうが早いです。iPhone なら設定アプリの「スクリーンタイム」を開き、「1日の平均」→「日」の順にタップすると、その日の使用状況が時間帯別に出ます。同じ画面を下にスクロールすると「持ち上げ/再開」と「通知」のレポートもあります(Apple「iPhoneで自分のスクリーンタイムを設定する」)。Android は設定アプリの「Digital Wellbeing」で同じことが確認できます。
見るのは 1 か所だけで十分です。就寝したい時刻の前 2 時間の帯に、何分・何回入っているか。
- 就寝したい時刻を決めた(例: 24 時)
- その前 2 時間の使用時間を 3 日ぶん記録した
- 同じ帯の「持ち上げ/再開」の回数も記録した
- 3 日の中で最も長かった日に何を見ていたかをメモした
- 時間が長いのか、回数が多いのかを判定した(長いなら区切り、多いなら置き場所から手を付ける)
時間が長いタイプで、見ているのが動画なら、区切り方は夜の動画を「最後の1本」で終わらせるにまとめています。回数が多いタイプなら、対策は時間制限より置き場所です。手順は寝る前スマホをやめる方法の充電場所の項目から始めてください。
※この記事は公表されている調査を紹介したもので、医学的な診断や助言ではありません。
出典
- Job総研(パーソルキャリア)「2024年 スマホ依存の実態調査」社会人男女 606 人、2024 年 11 月 6 日〜11 日実施、インターネット調査(支障の内訳は「支障がある派」339 人への質問。睡眠不足・睡眠の質の低下 71.7%、視力の低下・目の疲れ 59.0%、集中力の低下 48.4%。使用時間の平均 264.7 分、我慢できる時間 197.2 分、理由の内訳): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000227.000013597.html
- Apple「iPhoneで自分のスクリーンタイムを設定する」iPhoneユーザガイド iOS 27(「1日の平均」「日」「持ち上げ/再開」の表記、2026 年 9 月 27 日閲覧): https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iphbfa595995/ios
- Google「Digital Wellbeing で Android スマートフォンの使用パターンを管理する」(2026 年 9 月 27 日閲覧): https://support.google.com/android/answer/9346420?hl=ja
よくある質問(まとめ)
- スマホの使いすぎで、いちばん多く挙がる支障は何ですか?
- Job 総研の「2024年 スマホ依存の実態調査」(社会人 606 人、2024 年 11 月実施)では、使いすぎによる支障があると答えた人のうち「睡眠不足・睡眠の質の低下」が 71.7% で最多でした。次いで「視力の低下・目の疲れ」59.0%、「集中力の低下」48.4% です。
- 「社会人の7割がスマホで睡眠不足」と言っていいですか?
- 言えません。71.7% は回答者 606 人全体ではなく、支障があると答えた 339 人のうちの割合です。掛け合わせると回答者全体の約 4 割になるので、引用するときは「支障があると答えた人のうち 71.7%」と添えるのが正確です。
- この調査から、スマホが睡眠不足の原因だと言えますか?
- 言えません。自己申告のアンケートで、因果関係を確かめる設計ではないためです。言えるのは、社会人が自覚する支障の中で睡眠が最も多く挙げられていることと、使用時間と我慢できる時間に差があることまでです。寝不足が続いて不調が気になるときは医療機関で相談するのが確実です。
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