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スマホ時間の自己申告は実際とずれる — スクリーンタイムの数字と調査の平均の読み分け

調査の「1日平均264.7分」と自分のスクリーンタイムの数字は合いません。社会人606人の調査の平均・中央値・最頻値を並べて、自己申告と実測それぞれの癖と、自分の数字をどう割り引いて読むかを整理しました。

「スマホの平均は 1 日 4 時間」という調査の数字と、自分のスクリーンタイムに出ている数字。どちらも「スマホを使った時間」ですが、測り方が違うので直接は比べられません。調査ごとの数字の一覧はスマホの平均使用時間はどれくらい?にあるので、ここでは自己申告という測り方の限界だけを扱います。

「平均 264.7 分」はどう集めた数字か

よく引かれるのは Job総研(パーソルキャリア)が社会人男女 606 人(全国、20〜50 代、2024 年 11 月 6〜11 日実施、インターネット調査)に行った調査の数字です。606 人全体に「スマホに依存していると思うか」を聞くと「思う派」が 74.3% で、1 日の使用時間を聞いたのはそのうちの 450 人でした。結果は次のように報告されています。

聞いたこと平均中央値最頻値
1 日のスマホ使用時間264.7 分(約 4 時間 25 分)216.5 分300 分
触らずに我慢できる時間197.2 分120 分60 分

つまり 264.7 分は、使いすぎていると自分で感じている人が、思い出して答えた時間です。全員の平均でも、実測でもありません(同じ調査の睡眠への支障はスマホと睡眠不足で扱っています)。

平均と中央値が離れているときに起きていること

使用時間は平均 264.7 分に対して中央値 216.5 分で、約 48 分ずれています。長く答えた少数の人が平均を引き上げている形で、半分の人は 216.5 分より短いところにいます。我慢できる時間はもっと極端で、平均 197.2 分に対して最頻値は 60 分。いちばん多かった答えは 1 時間で、平均はその 3 倍以上です。

平均を自分の基準線に使うと、だいたい高すぎる基準になります。世の中と比べた位置を知りたいなら、中央値のほうを見ます。

自己申告の数字が持つ 3 つの癖

自己申告が「嘘」という話ではありません。聞き方の作りから、どうしても次のような癖が出ます。

  1. 単位が粗くなる。人は「だいたい 4 時間」「5 時間くらい」と答えます。最頻値がちょうど 5 時間(300 分)に立つのはその表れで、1 回 30 秒の確認を何十回も積んだぶんは思い出す側に残りません
  2. 答える前提が入っている。この調査は「依存していると思う」と答えた人にだけ時間を聞いています。自分の使い方を長めに見積もる方向の前提が、先に置かれた状態です
  3. 数えた中身が人によって違う。仕事の連絡・ナビ・音楽の操作を「スマホ時間」に入れた人と入れなかった人が、同じ質問に答えています

自己申告の読み方は「スマホ依存」の調査データを読むにも書きました。

実測の数字にも癖がある

では自分のスクリーンタイムが正解かというと、こちらにも別の癖があります。

  • 画面が点いていた時間であって、見ていた時間ではありません。ナビや音楽で点けたまま、動画を流したままの時間も入ります
  • 他の端末のぶんが混ざることがあります。iPhone には同じ Apple Account の iPad や Mac とレポートを共有する「デバイス間で共有」があり、オンのあいだは端末を横断した時間が出ます
  • 仕事と私用が同じ袋に入ります。業務の連絡で使った 1 時間も同じ合計に足されます

実測が正・自己申告が誤という話ではなく、聞きたいことによって見る数字を変えるのが現実的です。

知りたいこと見る数字
世の中と比べた自分の位置調査の中央値(平均ではなく)
今の自分の量実測の 1 週間平均
増えたか減ったか実測の前週との差
使い方の中身実測のアプリ別と、開いた回数
どれくらい離れていられるか自己申告(最頻値が 60 分だった幅)

自分の実測を 10 分で取る手順

iPhone(iOS 27 のユーザガイドの表記):

  • 設定アプリで「スクリーンタイム」をタップする
  • 「1 日の平均」をタップし、「週」を選んで 1 週間の概要を見る
  • 下にスクロールして「持ち上げ/再開」と「通知」の回数を見る
  • 他の端末のぶんが混ざるかを「スクリーンタイムを管理」の「デバイス間で共有」で確認する

Android:

  • 設定アプリで「Digital Wellbeing」をタップする
  • その日のグラフをタップし、利用時間・起動した回数・受信した通知数を見る

このうち回数のほう(持ち上げ/再開、起動した回数)を先に見るのがおすすめです。合計時間は週の事情で動きますが、開いた回数は習慣の形をそのまま映します。1 回あたりの滞在時間を削る考え方は開いたあとに止まらないときの「滞在時間」の削り方にまとめました。

だから、何をするか

読み分けで終わらせず、来週の見方を決めてしまいます。

  • 調査と比べるときは平均ではなく中央値を見る
  • 自分の数字は 1 日ではなく1 週間平均で見る
  • 比べる相手は他人ではなく先週の自分にする
  • 合計時間より先に、開いた回数と通知の数を見る
  • 下げる対象はアプリ 1 つに絞る

使い方が気になったときの確認の仕方はスマホの使いすぎセルフチェック10項目にもあります。数字は自分を採点するためではなく、次に何を変えるかを決めるために取るものです。

出典

  • Job総研(パーソルキャリア)「2024年 スマホ依存の実態調査」(現在職を持つ JobQ Town 登録者、全国・男女・20〜50 代、有効回答 606 人、2024 年 11 月 6〜11 日実施、インターネット調査。「依存していると思う派」74.3%、使用時間と我慢できる時間は自覚ありの 450 人への質問で平均 264.7 分・中央値 216.5 分・最頻値 300 分/平均 197.2 分・中央値 120 分・最頻値 60 分): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000227.000013597.html
  • Apple「iPhoneで自分のスクリーンタイムを設定する」iPhoneユーザガイド iOS 27(「1 日の平均」「週」「持ち上げ/再開」「通知」「デバイス間で共有」の表記、2026 年 10 月 22 日閲覧): https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iphbfa595995/ios
  • Google「Digital Wellbeing で Android スマートフォンの使用パターンを管理する」(利用時間・起動した回数・受信した通知数の表記、2026 年 10 月 22 日閲覧): https://support.google.com/android/answer/9346420?hl=ja

※公表されている調査を紹介したもので、医学的な診断や助言ではありません。調査の数字は対象・時期・測り方によって変わるため、他の調査と直接比較することはできません。

よくある質問(まとめ)

スマホの1日平均264.7分というのはどんな数字ですか?
Job総研が社会人男女 606 人に行った調査(2024 年 11 月実施)のうち、「スマホに依存していると思う」と答えた 450 人が自己申告した 1 日の使用時間の平均です。同じ 450 人の中央値は 216.5 分、最頻値は 300 分でした。実測ではなく、本人が思い出して答えた数字です。
調査の平均と自分のスクリーンタイムの数字が合わないのはなぜですか?
測っているものが違うためです。自己申告は本人が思い出して答えた時間で、だいたいの単位に丸められます。スクリーンタイムは画面が点いていた時間なので、音楽やナビで点けたままの時間や、同じアカウントの他の端末の時間も入ることがあります。どちらかが正解というより、使い道が違う数字です。
自分のスマホ時間はどこで確認できますか?
iPhone は設定アプリの「スクリーンタイム」から「1 日の平均」を開き、「週」を選ぶと 1 週間の概要が出ます。下にスクロールすると「持ち上げ/再開」と「通知」の回数も見られます。Android は設定アプリの「Digital Wellbeing」でグラフをタップすると、利用時間・起動した回数・受信した通知数が確認できます。

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