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「スマホ依存」の調査データを読む — 1位はLINE、でも年代で中身が変わる

1万人を対象にした調査で、使いすぎの対象として最も多く挙がったのはLINEでした。ただし年代・性別で見ると1位は入れ替わります。順位の中身と、自分の1位を見つける手順を整理しました。

「スマホの使いすぎをどうにかしたい」と思ったとき、対策の記事はたいてい「SNS を減らす」「動画を減らす」から始まります。けれど大規模な調査を開くと、日本でいちばん多く挙がっている対象は SNS でも動画でもありません。

この記事は、対策のやり方ではなく調査データの中身を読む回です。順位だけを見て終わらせると、自分に当てはまらない対策を選んでしまうので、年代・性別まで下りて見ていきます。アプリごとの仕分け方はLINEは残してSNSだけ止める設定の考え方にまとめてあります。

1万人が挙げた「使いすぎている対象」の順位

MMD 研究所「2024年スマホ依存に関する定点調査」は、通信契約のあるスマートフォンを所有する 18〜69 歳の男女 10,000 人を対象に、2024 年 7 月 13〜15 日にインターネットで実施されたものです。

この調査では、「かなり依存している」と答えた人が 23.4%、「やや依存している」が 39.1%、合わせて 62.5% が使いすぎを自覚していると報告されています。そのうえで、自覚があると答えた 6,251 人に対象のジャンルを聞いた結果(複数回答)が次の順位です。

使いすぎていると思うジャンル割合
LINE47.3%
ネットサーフィン40.1%
SNS39.0%

1 位は連絡アプリでした。「減らしたい」と検索する人が想像するのは SNS や動画のほうが多いのに、実際に本人が名前を挙げるのは、いちばん止めにくいアプリだった、ということになります。

全体の1位は、あなたの1位ではない

同じ調査を性年代別に見ると、1 位は入れ替わります。

区分1位に挙がったジャンル割合
女性 10 代(n=105)SNS84.8%
女性 20 代(n=595)SNS67.1%
男性 10 代(n=119)動画視聴62.2%

全体の 1 位が LINE でも、18〜19 歳の女性では SNS が 84.8% に達しています。ここが順位表のいちばん大事な読みどころです。「日本人がいちばん使いすぎているアプリ」を探しても、自分の設定を決める材料にはならないということです。

なお、この調査の対象は 18 歳以上なので、表の「10 代」は 18〜19 歳の人を指します。中高生を含む数字ではありません。15〜24 歳を対象にした別の調査はZ世代の「スマホ疲れ」は62.2%で読んでいます。

自覚は62.5%、「ないと困る」は81.1%

同じ調査では、普段の生活でスマートフォンがないと「困る」(58.1%)「やや困る」(23.0%)が合わせて 81.1% と報告されています。

使いすぎの自覚(62.5%)より、困る人(81.1%)のほうが多い。この差は、減らす計画を立てるときにそのまま効いてきます。多くの人にとってスマホは減らす対象と生活の必需品を兼ねているので、端末ごと遠ざける形の計画は続きません。減らすなら、端末単位ではなくアプリ単位で決めることになります。

「10秒未満」で我慢の限界が来る

同じ調査に、少し角度の違う数字もあります。ウェブサイトやアプリの表示に時間がかかったとき、我慢できる時間が「10 秒未満」と答えた人は 69.3%、ストレスを感じ始める時間が「10 秒未満」の人は 48.8% でした。

これは表示速度についての設問で、使いすぎとの関係を調べたものではありません。ただ、待ち時間に対する許容がこれだけ短いという結果は、開くまでに数秒の手間がある状態が行動に影響しうることを示唆します。設定で摩擦を足すやり方が語られるのは、この感覚と地続きです。

調査データを読むときの3つの注意

数字を自分の判断に使う前に、次の 3 点を確認しておくと読み間違いが減ります。

  • 自己申告である:「依存していると思うか」を本人に聞いた結果です。実際の利用時間の計測ではありません
  • 複数回答である:ジャンルの割合は足すと 100% を超えます。順位は「挙げた人の多さ」で、時間の長さの順位ではありません
  • n 数を見る:性年代別の内訳は n=105〜595 程度です。全体の 1 万人と同じ精度では読めません

利用時間そのものの平均はスマホの平均使用時間はどれくらい?で別の調査と並べて整理しています。

だから、何をするか(5分)

順位表の読み方が分かったら、やることは「全体の 1 位」を追うのをやめて、自分の 1 位を 1 つだけ決めることです。

  1. iPhone なら「設定 > スクリーンタイム > スクリーンタイムを管理」、Android なら「設定 > Digital Wellbeing と保護者による使用制限」で、先週いちばん長かったアプリを 3 つ書き出す
  2. その 3 つを「連絡・仕事」「情報収集」「娯楽」に分ける
  3. 娯楽に入ったものの中から1 つだけを今週の対象にする。2 つ以上を同時に選ばない
  4. 残りの 2 つは触らない。次の週に見直す

全体の 1 位が LINE だったからといって、LINE を対象にする必要はありません。順位表は「人によって中身が違う」ことを示すために使うのがいちばん実用的です。

出典

  • MMD 研究所「2024年スマホ依存に関する定点調査」(通信契約のあるスマートフォンを所有する 18〜69 歳の男女 10,000 人、2024 年 7 月 13〜15 日実施、インターネット調査。ジャンル別の数値は自覚があると回答した 6,251 人が母数、複数回答): https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2358.html

※公表されている調査結果を紹介したもので、医学的な診断や助言ではありません。

よくある質問(まとめ)

使いすぎていると感じるアプリで、いちばん多いのは何ですか?
MMD 研究所の「2024年スマホ依存に関する定点調査」(18〜69 歳 1 万人、2024 年 7 月実施)では、使いすぎの自覚がある 6,251 人が挙げたジャンルの 1 位は LINE(47.3%)で、ネットサーフィン 40.1%、SNS 39.0% が続きました(複数回答)。
年代によって、使いすぎている対象は違いますか?
違います。同じ調査を性年代別に見ると、18〜19 歳の女性では SNS が 84.8%、20 代女性でも SNS が 67.1%、18〜19 歳の男性では動画視聴が 62.2% で 1 位でした。全体の 1 位は、自分の設定を決める材料にはなりません。
スマホを減らすなら、端末ごと遠ざけたほうがいいですか?
同じ調査では、スマホがないと「困る」「やや困る」が合わせて 81.1% で、使いすぎの自覚(62.5%)より多くなっています。スマホは減らす対象と生活の必需品を兼ねているので、端末ごと遠ざける計画は続きにくく、端末単位ではなくアプリ単位で決めることになります。

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