通勤中にスマホを見ている人は54.5% — 200人の調査の内訳で作戦を決める
通勤中のスマホ利用の調査で、1位は「スマホを見ている」54.5%、見ている中身はニュース42.5%・SNS40%。回答者200人という規模をどこまで信じるか、通勤時間別にどう読み替えるかを整理しました。
通勤中のスマホについて、よく引用される数字が「54.5%」です。出どころは回答者 200 人の調査で、そのままの精度で使える部分と、自分の通勤に読み替えないと意味がない部分があります。中身を開いて、どこまで言える数字なのかを確かめます。
調査の中身
株式会社しんげんが、通勤のために電車やバスに乗る男女 200 人に行った「通勤中のスマホ利用」に関するアンケート調査(2024 年 5 月、インターネットによる自社調査)です。回答者の構成は次のとおりです。
| 項目 | 内訳 |
|---|---|
| 性別 | 男性 85 人 / 女性 115 人 |
| 年代 | 20 代 34 人 / 30 代 64 人 / 40 代 64 人 / 50 代以上 38 人 |
| 対象 | 通勤で電車・バスに乗っている人 |
主な結果は 3 つです。通勤中に主にしていることの 1 位は「スマホを見ている」で 54.5%、2 位は「外や周りの様子を見ている」で 17.5%。スマホで何をするかを複数選択で聞くと、1 位が「ニュースを見る」42.5%、2 位が「SNS の閲覧・投稿」40% でした。3 位以下はプレスリリースでは画像のみで、数字が公開されていません。
先に見るのは「通勤時間」の分布
54.5% より先に見ておきたいのが、この調査の通勤時間です。最も多いのが「30 分〜1 時間」で 46.5%、次に「15〜30 分」30.5%、「1〜1.5 時間」12.5% と続きます。1 時間以上は少数派でした。
つまりこの調査が映しているのは、片道 30 分前後の人が中心の通勤風景です。片道 15 分の人にとっては過大、片道 1 時間半の人にとっては過小になります。自分の片道が調査の中心から離れているほど、割合よりも自分の往復の分数を基準にしたほうが当たります。
54.5% と 42.5% は、別の母数の数字
よくある読み違いは、この 2 つを同じ土台で並べることです。54.5% は「通勤中に主にしていること」の 1 位で、選ぶのは 1 つ。42.5% と 40% は「スマホで何をするか」を複数選択で聞いた結果なので、1 人が両方を選べます。足し算はできません。
言えるのは「通勤中の時間の半分強がスマホに向いていて、その中身はニュースと SNS がほぼ並んで多い」までです。「通勤者の 42.5% がニュースを見ている」という書き方にすると、母数が入れ替わります。調査ごとに母数が違う数字を並べるときの考え方はスマホの平均使用時間はどれくらい?で整理しています。
200人という規模をどう扱うか
全体の割合(54.5%、42.5%)は、200 人なら目安として使えます。注意が必要なのは内訳です。この調査の年代セルは 34〜64 人しかないので、「20 代は○%」のような切り出しは数人の違いで大きく動きます。調査機関は外部ではなく自社調査で、3 位以下の数字も公開されていません。
- 使える: 全体の順位(スマホが 1 位、ニュースと SNS が上位)
- 慎重に: 年代別・性別の内訳(1 セルが数十人)
- 使えない: 3 位以下の具体的な%(非公開)
1 万人規模の調査を同じように開いて読んだものは「スマホ依存」の調査データを読むにあります。
別の調査と重ねると、幅は見えます。Job 総研が社会人 606 人に行った「2024 年スマホ依存の実態調査」(2024 年 11 月 6〜11 日実施)では、使いすぎを自覚した 450 人の 1 日の平均使用時間は 264.7 分、自分で我慢できると考える時間は 197.2 分でした。差は 67.5 分です。片道 30 分の通勤は往復 60 分で、ほぼこの差と同じ大きさになります。
自分の通勤時間から決める
調査を読んだ結果として決めるのは 1 つだけ、「どちらの片道を変えるか」です。
| 片道 | この調査からの読み替え | 決めること |
|---|---|---|
| 15 分前後 | 調査の中心より短い。割合より回数の問題 | 乗る前に開くものを 1 つ決めておく(開いてから選ばない) |
| 30 分〜1 時間 | 調査の中心。ニュースと SNS で埋まりやすい | 行きか帰りの片方だけ中身を入れ替える |
| 1 時間以上 | 調査では少数派。1 日 2 時間以上になる | 往復を 2 つの用途に分ける(片方は音声や読書に固定) |
- 自分の片道を分で書き出し、上の表のどこに入るか決める
- 往復の合計分を出す(これが交渉できる上限)
- 行き・帰りのどちらを変えるかを 1 つだけ選ぶ
- 1 週間後に、変えた側だけを振り返る
具体的な手順は通勤電車のスマホ時間を取り戻すに書きました。調査の役目は、自分の通勤時間に戻して読むところまでです。
出典
- 株式会社しんげん「通勤中のスマホ利用」に関するアンケート調査(通勤で電車・バスに乗る男女 200 人、男性 85 人・女性 115 人、20 代 34 人/30 代 64 人/40 代 64 人/50 代以上 38 人、2024 年 5 月、インターネットによる自社調査。通勤時間は 30 分〜1 時間 46.5%/15〜30 分 30.5%/1〜1.5 時間 12.5%、主にしていることは スマホ 54.5%/外や周りの様子 17.5%、スマホの用途は複数選択で ニュース 42.5%/SNS 40%。3 位以下は画像のみで非公開): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000120.000135215.html
- Job 総研(パーソルキャリア)「2024 年スマホ依存の実態調査」社会人男女 606 人、2024 年 11 月 6〜11 日実施、インターネット調査(平均使用 264.7 分・我慢できる 197.2 分は、使いすぎを自覚した 450 人への質問): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000227.000013597.html
※この記事は公表されている調査を紹介したもので、医学的な診断や助言ではありません。
よくある質問(まとめ)
- 通勤中にスマホを見ている人はどのくらいいますか?
- 株式会社しんげんが通勤で電車・バスに乗る男女 200 人に行った調査(2024 年 5 月)では、通勤中に主にしていることの 1 位が「スマホを見ている」で 54.5% でした。スマホで何をするか(複数選択)は「ニュースを見る」42.5%、「SNS の閲覧・投稿」40% が上位です。
- 「通勤者の42.5%がニュースを見ている」と言っていいですか?
- 言えません。54.5% は「主にしていること」を 1 つ選ぶ設問、42.5% と 40% は「スマホで何をするか」を複数選択で聞いた設問で、母数が違います。言えるのは「通勤中の時間の半分強がスマホに向いていて、その中身はニュースと SNS がほぼ並んで多い」までです。
- 200人の調査は、どこまで信頼して使えますか?
- 全体の順位(スマホが 1 位、ニュースと SNS が上位)は目安として使えます。年代別・性別の内訳は 1 セルが数十人なので慎重に扱い、3 位以下の具体的な割合は非公開なので使えません。自分の通勤に当てはめるときは、割合より自分の往復の分数を基準にします。
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