スマホから1時間離れる練習 — 「触らずに我慢できる時間」でいちばん多かった答えは60分だった
スマホから離れる練習は1日やめるところからではなく、1時間という単位から始められます。社会人450人の自己申告でいちばん多かった答えが60分だった調査を手がかりに、1時間の置き場所・通すアプリ・記録の作り方を整理しました。
スマホから離れる練習を調べると、たいてい「1 日やめてみる」から始まります。けれども、いきなり 1 日空けられる人は、そもそもここを調べていません。
使いすぎが気になる段階の確かめ方はスマホの使いすぎセルフチェック10項目にまとめてあります。この記事はその次、「1 時間」という単位を作って繰り返すところだけを扱います。
「触らずに我慢できる時間」でいちばん多い答えは60分だった
Job総研が社会人 606 人に行った調査では、スマホの使いすぎを自覚していると答えた 450 人に、使用時間と「スマホを触らずに我慢できる時間」を聞いています。
| 聞いたこと | 平均 | 中央値 | 最頻値 |
|---|---|---|---|
| 1 日のスマホ使用時間 | 264.7 分 | 216.5 分 | 300 分 |
| 触らずに我慢できる時間 | 197.2 分 | 120 分 | 60 分 |
目を引くのは下の行です。平均は 197.2 分ですが、いちばん多かった答えは 60 分で、半分の人は 120 分より短いところにいます。平均だけを見ると「3 時間は離れられるはず」に見えて、実際にいちばん人数が集まったのは 1 時間でした。平均と最頻値がここまで離れる数字の読み方はスマホ時間の自己申告は実際とずれるにまとめています。
同じ 450 人のうち、「スマホのない環境が不安」と答えた人は 88.8% です。離れる練習の最初の単位を 1 日に取ると、この 88.8% 側の反応が先に来ます。自己申告でいちばん多かった 1 時間なら、多くの人にとって心当たりのある長さから始められます。
もっと短い単位も、もっと長い単位もあります。手元にないと落ち着かない数分のやり過ごし方はスマホがないと不安になるときに試すこと、1 日まるごとの試運転はデジタルデトックスを1日だけ試す手順が扱っています。1 時間は、その 2 つのあいだにある単位です。
1時間の置き場所と、通すアプリを決める
1 時間の練習でいちばん先に決めるのは長さではなく、どこに置くかです。候補はだいたい次の 5 つに収まります。
| 置き場所 | 向いている点 | 崩れやすい点 |
|---|---|---|
| 帰宅してから夕食まで | ほぼ毎日同じ時刻に来る | 溜まった連絡の確認と重なる |
| 夕食後の 1 時間 | 同居の人を巻き込める | テレビと動画に流れやすい |
| 寝る前の 1 時間 | 睡眠の時間に跳ね返る | いちばん手が伸びる時間帯 |
| 休日の午前 | 長さを取りやすい | 予定が入る週に消える |
| 通勤の片道 | 行き先が 1 時間を区切ってくれる | 乗り換え案内で開く口実ができる |
選ぶ基準は「やりやすそうか」ではなく、同じ時刻に毎日来るかです。毎日違う時刻に取ろうとすると、いつ取るかを決める手間が毎回かかり、その手間のほうが先に続かなくなります。
通すアプリも先に決めます。電話・メッセージ・地図・決済・目覚ましは通したままにして、止めるのはフィードと短い動画のアプリだけにします。1 時間のあいだ連絡が取れない形にすると、上の 88.8% が示す不安が練習より大きくなり、2 日目に「やっぱり無理だった」で終わります。
空いた1時間に置くものを先に決める
1 時間を空けると、そこに何も無い 1 時間が残ります。先に中身を決めていないと、スマホが戻ってくるだけです。
SHIBUYA109 lab が 15〜24 歳の 574 人に行った調査(2026 年 2 月実施)では、スマホ疲れを感じる人が 62.2%、SNS の時間を減らしたい人が 67.6% でした。そして7 割を超える人が、すでにスマホから距離を置く行動を取っていると答えていて、挙がったのは散歩 20.2%、読書 20.2%、映画館 16.4% です。
3 つに共通しているのは、1 時間くらいの長さがあって、途中でスマホを出しにくいことです。椅子に座って待つ時間が多い用事より、体か手がふさがる用事のほうが向いています。候補の作り方はスマホ疲れのときの「代わりの時間」の作り方にあります。
記録は「○か×」の2列だけにする
練習なので、やった回数が分かる形にします。記録する項目は 2 つだけにしてください。
- 日付
- その日の 1 時間ができたかどうか(○か×)
時間を測る必要はありません。何分我慢できたかを書くと、記録のために時計を見ることになり、スマホを開く口実が増えます。
2 週間続けると 14 行たまります。そこで見るのは連続日数ではなく、○がいくつあったかです。14 行のうち 7 つ以上○がついていれば、置き場所の選び方は合っています。3 つ以下なら、次の節に移ります。
うまくいかないときの直し方
毎回 40 分くらいで手が伸びる: 長さを 30 分に落とします。1 時間を 1 回やるより、30 分を 2 週間続けたほうが先に進みます。回数が積まってから 1 時間に戻します。
同じ曜日だけ崩れる: 置き場所が予定とぶつかっています。その曜日は練習を入れない日にして、×ではなく空欄にします。達成できない日を×で数えると、記録のほうが先に嫌になります。
○がついた日も、終わった直後に 30 分見てしまう: 練習が終わった時点で次にやることが決まっていないのが原因です。1 時間の終わりに続ける動作を 1 つだけ決めておきます。風呂に入る、洗い物をする、寝る支度を始める、のどれかで足ります。
記録自体が続かない: 紙に日付だけ 14 個書いておき、できた日に○を書き足す形にします。アプリで管理すると、記録を開くついでに他のアプリを開きます。
今日やること
上の 5 つから置き場所を 1 つだけ選び、明日の分の時刻を決めます。通すアプリを 5 つ(電話・メッセージ・地図・決済・目覚まし)書き出し、空いた 1 時間に置くものを 1 つ決めます。紙に日付を 14 個書いて、できた日に○をつけてください。2 週間後に見るのは、連続日数ではなく○の数です。
出典
- Job総研(パーソルキャリア)「2024年 スマホ依存の実態調査」。全国の現職の社会人男女 606 人(20〜50 代、JobQ Town 登録者)、2024 年 11 月 6 日〜11 日実施、インターネット調査。使いすぎの自覚ありと回答した 450 人への質問で、1 日の使用時間が平均 264.7 分・中央値 216.5 分・最頻値 300 分、スマホを触らずに我慢できる時間が平均 197.2 分・中央値 120 分・最頻値 60 分、「スマホのない環境が不安」88.8%: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000227.000013597.html
- SHIBUYA109 lab(SHIBUYA109 エンタテイメント)「Z 世代のアテンション・デトックスに関する調査」。15〜24 歳の男女 574 人、2026 年 2 月実施のインターネット調査、2026 年 3 月 12 日公表。スマホ疲れを感じる 62.2%、SNS の時間を減らしたい 67.6%、距離を置く行動として散歩 20.2%・読書 20.2%・映画館 16.4%: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000403.000033586.html
※公表されている調査を紹介したもので、医学的な診断や助言ではありません。
よくある質問(まとめ)
- スマホから離れる練習は、どれくらいの長さから始めればいいですか?
- Job総研が社会人 606 人に行った調査(2024 年 11 月実施)では、使いすぎの自覚がある 450 人に「スマホを触らずに我慢できる時間」を聞いたところ、平均は 197.2 分でしたが、いちばん多かった答えは 60 分、中央値は 120 分でした。自己申告の数字なので実測ではありませんが、1 時間は多くの人が「やったことがある長さ」として挙げた単位にあたります。
- 1時間のあいだ、連絡も見ないほうがいいですか?
- 通すものと止めるものを先に分けておくほうが続きます。電話・メッセージ・地図・決済・目覚ましは通したままにして、止めるのはフィードと短い動画のアプリだけにします。同じ調査では「スマホのない環境が不安」と答えた人が 88.8% いて、全部まとめて遠ざけると不安の側が先に来ます。
- 1時間が続かないときはどうすればいいですか?
- 長さではなく置き場所を疑います。毎日違う時刻に取ろうとすると決める手間が毎回かかるので、同じ時刻に来る 1 時間へ移します。それでも崩れるなら 30 分に落として回数を先に積み、記録は「できた日に○をつける」だけにして、連続日数ではなく 2 週間の○の数を見ます。
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