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親の「ながらスマホ」をやめるには — 子育て中の手の中を、時間帯で切り分ける

子どもの前でスマホを見てしまうことに後ろめたさを感じる人は少なくありません。子育て世帯の調査データをもとに、1日中がまんするのではなく削る時間帯を3つに絞って、手が空く形を作る手順をまとめました。

子どもが話しかけてきたのに、画面から目を離すのが一拍遅れた。あとから思い出して、少し後ろめたくなる。これは意志が弱いというより、スマホが「手が空いた瞬間」にぴったり収まる形をしていることが大きいです。ここでは子どもの制限ではなく、親自身の手の中の話だけを扱います。

後ろめたさを感じているのは自分だけではない

アウトドアブランドの YOCABITO が、未就学児から中学生の子どもを持つ親 500 人に行った「子育て世帯のすきま時間」調査(2025 年 7 月 25 日実施)では、次のように報告されています。

  • 平日の「すきま時間」は、過半数がデジタルの受け皿になっている
  • 4 割以上が自身のスマホ利用に後悔を感じている
  • 4 割以上が子どもの前でのスマホ利用に課題意識と罪悪感を感じている
  • 約半数が「デジタル疲れ」を自覚し、過半数がデジタルから離れる時間の必要性を感じている

つまり、罪悪感そのものはかなり一般的な感覚です。Job 総研が社会人 606 人に行った調査(2024 年 11 月実施)でも、「使いすぎをやめたい」と答えた人は 77.6% でした。やめたい気持ちは十分あるので、足りないのは気持ちではなく形のほうです。

1日中がまんしない。削る時間帯を3つに絞る

「子どもの前では見ない」は範囲が広すぎて、守れないルールになります。子育ての時間帯のうち、画面を見ていたことが記憶に残りやすい 3 つに絞るほうが現実的です。

時間帯起きていること絞り方
朝の支度(30〜40 分)通知を確認するつもりが、ニュースや SNS に流れるこの帯は連絡の確認だけにして、読むものは後回しにする
帰宅〜夕食(60 分前後)疲れていて、いちばん画面に逃げやすい玄関か台所の定位置に置いて、食事が終わるまで取りに行かない
寝かしつけの前後暗い部屋で手持ち無沙汰になり、長くなる部屋に持ち込まず、必要なら時計と目覚ましを別に置く

3 つ合わせても 1 日 2〜3 時間です。残りの時間は今まで通りでかまいません。「いつでも」ではなく「この帯だけ」にすると、守れたかどうかを自分で判定できます。

手が空く形を先に作る

がまんの前に、置き場所と代わりの手を決めます。

  1. 置き場所を 1 か所決める(玄関の棚、台所の充電器の上など。ポケットとテーブルの上は含めない)
  2. その場所に音が届くか確かめる(届かないなら、着信音だけ鳴る設定にして距離を保つ)
  3. 手が空いたときの代わりを 1 つ置く(麦茶を注ぐ、洗い物を 3 枚だけ、子どもの隣に座る)
  4. 時間ではなく合図で戻す(「食器を片付けたら取りに行く」のように、行動を終わりの合図にする)

4 番が効きます。時間で区切ると残り時間が気になりますが、行動で区切ると意識から外れます。置き場所の考え方は寝る前スマホをやめる方法でも扱っています。

連絡と家事は止めない

子育て中は、スマホが生活のインフラそのものです。先に「残すもの」を決めてから、減らすものを決めます。

残すもの理由
電話・メッセージ保育園・学校・家族からの連絡は逃せない
地図・交通送迎や通院の当日変更がある
カメラ撮りたい瞬間は待ってくれない
タイマー・レシピ台所ではむしろ手が足りない
決済・目覚まし生活が止まる

減らす対象は、SNS と動画とニュースの「読み続けてしまうもの」だけで十分です。

黙って見ない — 用事を口に出す

子どもから見ると、連絡を返している親と、動画を見ている親は同じ「画面を見ている人」です。何をしているかを 1 行で言うだけで、見え方が変わります。

  • 「保育園に返事するから 1 分だけ待ってね」
  • 「明日の天気を見てる」
  • 「これは見なくていいやつだから、置いてくる」

3 つ目が特に効きます。子どもに宣言すると、自分に対する合図にもなります。

家族のルールに親も入る

こども家庭庁の「青少年のインターネット利用環境実態調査」(令和 6 年度、2025 年 3 月公表)では、家庭のルールが「ある」と答えた割合が高校生で 46.6%、保護者では 61.1% と、認識にずれがあることが報告されています。子どもだけを対象にしたルールは、この形でずれていきます。同じ時間帯に家族全員が置く形にすると、説明の手間も減ります(食卓から始める方法は食事中のスマホをテーブルから外す)。子ども側のルールの作り直しは子どものスマホ時間、ルールが守られないときににまとめました。

今日やること

  • 3 つの時間帯のうち、いちばん後ろめたい 1 つだけを選ぶ
  • その帯の置き場所を 1 か所決めて、今日の分を置いてみる
  • 手が空いたときの代わりの行動を 1 つ決める
  • 画面を見るときは、何をしているかを 1 行で言う

1 つの時間帯が 1 週間続いたら、2 つ目を足します。

出典

※この記事は公表されている調査を紹介したもので、医学的な診断や助言ではありません。

よくある質問(まとめ)

子どもの前でスマホを見てしまい、罪悪感があります。
めずらしい感覚ではありません。子どもを持つ親 500 人への調査(YOCABITO、2025 年 7 月実施)では、4 割以上が自身のスマホ利用に後悔を感じ、4 割以上が子どもの前でのスマホ利用に課題意識と罪悪感を感じていると報告されています。やめたい気持ちは十分あるので、足りないのは気持ちではなく形のほうです。
「子どもの前ではスマホを見ない」と決めても守れません。
範囲が広すぎるので、記憶に残りやすい時間帯に絞ります。朝の支度、帰宅〜夕食、寝かしつけの前後の 3 つのうち、いちばん後ろめたい 1 つだけを選び、その帯の置き場所を 1 か所決めます。戻すタイミングは時間ではなく「食器を片付けたら」のような行動で区切ります。
子育て中は連絡が多いので、スマホを手放せません。
先に残すものを決めます。電話・メッセージ、地図・交通、カメラ、タイマー・レシピ、決済・目覚ましは残し、減らす対象は SNS・動画・ニュースのような読み続けてしまうものだけで十分です。画面を見るときは「保育園に返事するから 1 分だけ待ってね」のように、何をしているかを 1 行で言うと子どもからの見え方が変わります。

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